112D52

78歳の女性。左股関節痛のため救急車で搬入された。本日朝、正座をしていて立ち上がろうとしたときに、バランスを崩して転倒し、痛みのため歩行不能となった。8か月前に左変形性股関節症に対する左人工股関節全置換術を受け、術後経過は良好で、股関節に痛みを感じることなく歩行できていた。既往歴に特記すべきことはない。左股関節は屈曲、内転、内旋位をとっている。血液生化学所見に異常を認めない。股関節のエックス線写真を別に示す。

初期対応として適切なのはどれか。

関節造影
関節穿刺
左下肢のギプス固定
左股関節の徒手整復
左下肢の持続鋼線牽引

解答: d

112D52の解説

高齢女性の股関節痛。人工股関節全置換術の既往があり、画像より該当部が脱臼していることが見て取れる。
a 関節腔内を詳細に観察したい際に考慮する。
b 関節内に液体貯留がみられた際に考慮する。
c 徒手整復後、ギプス固定により安定性を担保することがある。が、本問では初期対応が問われているため、dに正答を譲る。
d 正しい。治療の第一選択は徒手整復である。苦痛が強く、整復困難な例では麻酔下で行うこともある。
e 持続鋼線牽引よりも徒手整復が優先される。

正答率:77%

テーマ:人工股関節脱臼への初期対応

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