112D38

出生直後の新生児。妊娠36週までの妊婦健康診査では児の発育は順調であったが、妊娠37週2日に母親に下腹部痛と性器出血が出現し、胎児心拍数陣痛図で遅発一過性徐脈を繰り返し認めたため緊急帝王切開で出生した。心拍数60/分。出生時から自発呼吸がなく、全身にチアノーゼを認める。刺激をしても反応がなく、全身がだらりとしている。娩出後30秒の時点で自発呼吸を認めない。外表奇形を認めない。

この時点で開始する処置として適切なのはどれか。

胸骨圧迫
静脈路確保
足底および背部刺激
バッグバルブマスク換気
持続的気道陽圧法〈CPAP〉

解答: d

112D38の解説

出生直後にApgar score 1点の新生児。娩出後30秒が経過しても自発呼吸がなく、ピンチだ。
a 心拍は存在しており、胸骨圧迫は意義に乏しい。
b 新生児の静脈路確保は往々にして難渋する。自発呼吸がみられない状態で時間が経過すると、蘇生できる確率がどんどん減少してしまう。
c 「刺激をしても反応がなく」とあるため、さらなる刺激に無駄な時間を使うことはできない。
d 正しい。90%以上の症例でバッグバルブマスク換気により事態が改善することが知られている。
e 自発呼吸の存在を前提とした人工呼吸である。

正答率:55%

テーマ:自発呼吸を認めない出生直後の児に開始する処置

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし