112D37

56歳の男性。小腸切除術後のため入院中である。4日前に突然、腹部全体の疝痛が出現したため救急車で搬入された。上腸間膜動脈閉塞症と診断し緊急で小腸切除術を施行し、残存小腸は40cmであった。術後48時間までは循環動態の安定を目的に乳酸リンゲル液の輸液と昇圧薬の投与とを行った。術後72時間から高カロリー輸液の実施と経鼻胃管からの少量の経腸栄養剤の持続投与とを開始したところ、1日4、5回の下痢を認めた。

この患者への対応として適切でないのはどれか。

1か月間の絶飲食
在宅静脈栄養の導入
サルコぺニアの予防
経腸栄養剤成分の変更
経腸栄養剤投与方法の変更

解答: a

112D37の解説

小腸切除術を施行し、残存小腸が40cmとなった中年男性。下痢を認めるということは、十分に消化できていないことを意味する。
a 誤り。術後なるべく早期に経腸栄養を始めることが重要であり、1か月間も中止してはいけない。
b 食上げが進まない時には、不足した栄養分を経静脈的に投与することを検討する。
c サルコペニアとは加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、身体機能の低下が起こることを指す。これを予防することは当然大切である。
d 経腸栄養成分や量を変更し腸の負担を軽くして再開する。
e 胃管からの持続投与ではなく、回数を減らす・経口投与に変更するなど投与方法の変更を検討する。

正答率:83%

テーマ:小腸切除術後の患者への栄養補充についての対応

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