112D35

21歳の男性。奇妙な行動をとるため両親に伴われて来院した。1週間前に大学院の入学試験を受けてから不眠が続いていた。本日朝から駅前のベンチの周りを独り言を言いながら約3時間ぐるぐると回っていたことで警察に保護されたため、両親に伴われて近くの総合病院を受診した。身振りや表情が乏しく、一点を凝視しており視線を合わせようとしない。急ににやにやするかと思うと、おびえたような表情に変わる。黙ったまま何かに聞き入ってうなずく様子がみられ、質問には全く返答することはないが、唐突に「なるほど」「だからか」などとあたかも対話するように短く独語する。これまでに発達や適応上の問題はない。血液生化学所見、頭部MRI及び脳波で異常を認めない。

この疾患にみられる症状はどれか。

感覚失語
行為心迫
連合弛緩
小動物幻視
記銘力障害

解答: c

112D35の解説

若年男性の奇妙な行動。独り言、にやにや、など典型的なエピソードが列挙されており、統合失調症の診断は容易であろう。
a 高次機能障害の1つ。本患者が質問に全く返答しないのは統合失調症の病状によるものであり、失語ではない。
b 躁病でみられる。
c 正しい。統合失調症でみられる代表的な症候だ。
d アルコール離脱時などにみられる。
e 認知症などでみられる。

正答率:93%

テーマ:統合失調症にみられる症状

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