112D29

30歳の女性。咽頭痛と開口障害とを主訴に来院した。5日前から咽頭痛と軽度の発熱があったため自宅近くの医療機関を受診し、抗菌薬と解熱鎮痛薬の内服治療を受けていた。昨日から開口障害と摂食困難とが出現したため受診した。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。頸部リンパ節と肝・脾とを触知しない。血液所見:赤血球480万、Hb 13.0g/dL、白血球16,800(桿状核好中球30%、分葉核好中球52%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球10%)、血小板21万。血液生化学所見:AST 30U/L、ALT 28U/L。CRP 14mg/dL。口腔内写真を別に示す。

診断はどれか。

中咽頭癌
悪性リンパ腫
扁桃肥大症
扁桃周囲膿瘍
伝染性単核球症

解答: d

112D29の解説

壮年女性の咽頭痛と開口障害。白血球上昇(核の左方移動あり)やCRP高値より細菌感染を疑う。画像では口蓋垂周囲の発赤腫脹がみてとれ、かつ口蓋垂の左方変位がみられる。扁桃周囲膿瘍の診断。
a 高度な炎症があり、年齢や性別からも癌は考えにくい。
b リンパ球の上昇もなく、本症例から積極的に考える診断名ではない。
c 高度な炎症があり、単に肥大しているだけとは考えにくい。
d 正しい。上記の通り。
e 異型リンパ球や肝逸脱酵素上昇もないため否定的。

正答率:98%

テーマ:扁桃周囲膿瘍の診断

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