112D17

65歳の女性。手指を伸ばせないことを主訴に来院した。数日前に絵を描いていたところ右手から前腕に痛みが走り、環指と小指とを自力では伸ばせなくなったという。環指と小指との中手指節関節を他動的に伸展させることは可能であり、屈曲は自動、他動ともに可能である。また母指、示指、中指および手関節の自動伸展と自動屈曲は可能である。感覚障害はない。15年前に関節リウマチの診断を受け、現在はメトトレキサートと副腎皮質ステロイドにて治療中である。手指を伸ばすように指示した際の手の写真(A)と手関節部エックス線写真(B)とを別に示す。

病態として考えられるのはどれか。

頸椎性脊髄症
手根管症候群
橈骨神経麻痺
指伸筋腱断裂
中手指節関節強直

解答: d

112D17の解説

高齢女性の手指進展障害。Aでは環指と小指のMP関節の伸展が不能となっていることがわかる。関節リウマチ〈RA〉の既往があり、RAに指伸筋腱断裂を合併したものと考えられる。Bでは関節の変形や脱臼がみられており、RAの所見に矛盾しない。
a~c 感覚障害がみられるはずだ。
d 正しい。上記の通り。107D44でも本文中に「右手指伸筋腱断裂」の記載あり。
e 中手指節関節強直では他動運動も障害されるはず。
108D32のプール問題。

正答率:91%

テーマ:関節リウマチ〈RA〉の合併症としての指伸筋腱断裂の診断

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