112C33

生後2時間の新生児。在胎40週0日、出生体重2,000g、Apgarスコア8点(1分)、8点(5分)で出生した。生後2時間で四肢を小刻みに震わせることが頻回にあった。体温36.5℃。心拍数120/分、整。呼吸数40/分。下肢のSpO2 98%(room air)。大泉門は平坦。心雑音を聴取せず、呼吸音に異常を認めない。筋緊張は正常で、Moro反射と吸啜反射とを正常に認める。出生後は排尿を認めていない。

直ちに行うべき検査はどれか。

血糖測定
心エコー検査
血液ガス分析
血清ビリルビン測定
胸腹部エックス線撮影

解答: a

112C33の解説

出生直後の新生児(出生体重2,000gと低出生)にみられた四肢の小刻みな震え。この他に病的所見は記載がない。さて、真っ先に何を考えるべきか。
a 正しい。低出生体重児は肝を代表とする糖を貯蔵する臓器が未熟である。そのため、低血糖となりやすい。四肢の震えは低血糖の徴候として押さえておくべき。
b 先天性心疾患を疑った場合に実施する。
c 酸塩基平衡や酸素・二酸化炭素の異常を疑った場合に実施する。
d 高ビリルビン血症による核黄疸でも新生児けいれんはみられうるが、生後2時間では出現しない。111E43を参照するとよいだろう。この症例では症状が生後6時間からみられている。
e 胸腹部臓器のエックス線で判明するような粗大な異常を疑った場合に実施する。
※「出生後は排尿を認めていない」の断り書きを出題者が示した意図は不明。未熟児で腎-尿路系が未熟だと言いたいのか、それとも今後輸液をする際に糖は補いたいがカリウム入りの製剤は入れるなと言いたいのか。高血糖なら浸透圧利尿で多尿気味となるから、その逆で尿が減っているのか。はたまた、現時点で尿検査はできないと言いたいのか。medu4内知識人数名で議論したが確固たる答えは導けなかった。実務的な話、出題者の大学の卒試の文章など過去問類をコピペした際に意味のない記載が残ってしまった説が濃厚かもしれない。

正答率:81%

テーマ:新生児けいれんの原因

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