112B45

検査所見(午前8時25分の採血) : 血液所見:赤血球416万、Hb 12.6g/dL、Ht 36%、白血球9,800、血小板20万、Dダイマー0.7μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:AST 26U/L、ALT 30U/L、LD 254U/L(基準176〜353)、CK 118U/L(基準30〜140)、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン1.6mg/dL、血糖98mg/dL、心筋トロポニンT陰性。胸部エックス線写真で異常を認めない。

緊急処置の準備中、突然、うめき声とともに意識消失した。呼吸は停止しており脈を触れない。胸骨圧迫とバッグバルブマスクによる換気を開始した。このときのモニター心電図を別に示す。

この患者に直ちに行うべきなのはどれか。

ニトログリセリン静注
アドレナリン静注
アミオダロン静注
アトロピン静注
電気ショック

解答: e

112B45の解説

採血したのは発症してから40分後であり、心筋逸脱酵素の上昇を認めていなくても矛盾はない。心電図から直ちに急性冠症候群〈ACS〉を疑い緊急カテーテル検査を行う。今回はその準備中に意識消失、呼吸停止を来し、モニターでは心室細動を認めている。AMIに伴う合併症である。直ちに電気的除細動を行う。このようなことは日常診療でしばしば認める。ACSを疑った際にモニター管理が必須である所以である。
a 有効な心拍出が得られていない以上、ニトログリセリンを静注したところで効果発現まで遅い。そもそも血管を広げたところで心室細動は止まらない。
b 心停止時に投与する。
c 除細動を行っても心室細動を繰り返す時に検討するが、まずは除細動を行い心臓を動かすことが優先される。
d アトロピンは徐脈の際に投与する。
e 正しい。心室細動の場合には直ちに心臓マッサージを行い、準備ができ次第電気ショックを行う。

正答率:98%

テーマ:【長文2/2】心室細動〈VF〉に直ちに行うべきこと

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