112B46

次の文を読み、46、47の問いに答えよ。

66歳の男性。発熱、頭痛および嘔吐のため救急車で搬入された。

現病歴:2日前から38℃の発熱があった。昨日、頭部全体の頭痛が出現し徐々に増悪して、市販の鎮痛薬を内服しても改善しなかった。さらに嘔吐を繰り返すようになったため、同居する妻が救急車を要請した。

既往歴:58歳時から高血圧症のため内服治療中。

生活歴:妻と2人暮らし。長年、事務職をしていた。喫煙は20本/日を35年間。飲酒はビール350mL/日を30年間。

家族歴:父親が高血圧症。母親が大腸癌で死亡。

現 症:意識レベルはJCS I-1。身長173cm、体重52kg。体温38.7℃。心拍数 90/分、整。血圧110/66mmHg。呼吸数22/分。SpO2 98 % (room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。瞳孔不同はなく、対光反射は両側正常。口腔粘膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

診断のためにまず確認すべき所見はどれか。

眼振
筋強剛
項部硬直
Barré徴候
Babinski徴候

解答: c

112B46の解説

高齢男性の発熱、頭痛および嘔吐。高血圧の背景があること、長年事務職でおそらくは運動の機会があまりないこと、喫煙歴があること、などいくつか問題点は指摘できるが、主訴とは直結しない。「発熱が前駆する頭部全体の頭痛」という記載から髄膜炎を想起できたか、が勝負の分かれ目であろう。
a めまい症の鑑別に有用である。
b Parkinson病で見られる。
c 正しい。上記の通り、髄膜炎の鑑別に有用。
d 脱力の鑑別に有用である。
e 錐体路障害の有無を判別するのに有用である。

正答率:100%

テーマ:【長文1/2】髄膜炎疑いの患者にまず確認すべき所見

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