112B28

68歳の男性。複視を主訴に来院した。昨日の夕方、自動車を運転中に突然対向車が二重に見えるようになり、今朝になっても改善しないため受診した。7年前から糖尿病の治療を受けている。眼位は、左眼は正中位、右眼は内転位をとっている。複視は正面視で自覚し、右方視で増強するが、左方視では消失する。

最も考えられるのはどれか。

左MLF症候群
右外転神経麻痺
左動眼神経麻痺
右滑車神経麻痺
左Horner症候群

解答: b

112B28の解説

高齢男性に突発した複視。糖尿病の背景があり、ニューロパチーの一環と考えられる。右眼が外転しにくくなっていることから、右外転神経の障害が考えやすい。糖尿病性ニューロパチーでは動眼神経が障害されることが有名だが、むろん個人差はある。今回の症例では外転神経が障害されたのだろう。
a 動眼神経と外転神経の協調ができなくなる病態。ゆえに、正面視にて右眼が内転位をとることはない。
b〜d 上記より、障害されているのは右の外転神経だ。ゆえにbが正しい。
e Horner症候群では縮瞳や眼瞼下垂がみられる。複視は一般に出現しない。

正答率:97%

テーマ:外転神経麻痺の診断

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