112A56

35歳の男性。腰痛を主訴に来院した。約半年前から左陰嚢の腫大を自覚していたが、特に受診はしていなかった。1か月前から腰痛が出現したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。血液所見に異常を認めない。血液生化学所見:LD 1,672U/L(基準176〜353)、hCG 1,962mIU/mL(基準1.0以下)、α-フェトプロテイン〈AFP〉915ng/mL(基準20以下)。来院時の陰嚢の写真(A)、肺野条件の胸部CT(B)及び腹部造影CT(C)を別に示す。

この患者にまず行うべきなのはどれか。

CTガイド下肺生検
CTガイド下後腹膜リンパ節生検
左精巣水瘤切除術
左精巣生検
左高位精巣摘除術

解答: e

112A56の解説

壮年男性の腰痛。画像Aでは陰嚢部の皮膚が発赤し、内部の腫大がみられる。LD、hCG、AFPすべてが高値を呈しており、非セミノーマが考えやすい。Bにて両側肺野に多発する腫瘤影がみられるのは肺転移。Cにて腹部大動脈周囲に腫瘤影がみられるのは傍大動脈リンパ節転移(後腹膜リンパ節転移)。これにより、主訴の腰痛がみられているものと考えられる。
a・b 精巣自体の病理像は確認したいが、肺やリンパ節自体の生検は不要。
c 精巣水瘤ではない。
d 精巣の生検は禁忌。
e 正しい。精巣腫瘍に対する標準術式である。

正答率:96%

テーマ:精巣腫瘍にまず行うべきこと

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