112A55

35歳の男性。アジ、イカなどの刺身を食べた後に出現した上腹部痛を主訴に来院した。生来健康である。意識は清明。身長170cm、体重66kg。体温36.1℃。脈拍64/分、整。血圧118/78mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが、反跳痛と筋性防御とを認めない。便通に異常はない。緊急上部消化管内視鏡像を別に示す。

この疾患について正しいのはどれか。

夏季に多い。
腸での発症が多い。
魚類摂取後24時間以降に発症する。
プロトンポンプ阻害薬が有効である。
病態には即時型アレルギー反応が関与する。

解答: e

112A55の解説

「アジ、イカなどの刺身を食べた後に出現した上腹部痛」という冒頭のキーワードで即座にアニサキス症を想起すべきだ。画像にて、アニサキス虫体が認められている。
a 秋〜冬季に多い。
b 胃での発症が多い。
c 魚類摂取後24時間以内(多くは数時間後)に発症する。
d 内視鏡的摘出が有効である。
e 正しい。I型アレルギー機序の関与がある。

正答率:71%

テーマ:アニサキス症について

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