112A40

67歳の男性。右上下肢の脱力を主訴に来院した。2週間前から右手で車のドアを開けることができない、歩行時に右足を引きずるなどの症状が徐々に進行したため受診した。意識レベルはJCS I-3。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧142/80mmHg。呼吸数16/分。右片麻痺を認める。頭部造影MRI(A)及び定位的脳生検術によって左前頭葉病変から採取した組織のH-E染色標本(B)と抗CD20抗体による免疫組織染色標本(C)とを別に示す。FDG-PETでは脳以外に異常集積を認めない。

治療として適切なのはどれか。

抗菌薬投与
開頭腫瘍摘出術
アシクロビル投与
定位的放射線治療
大量メトトレキサート療法

解答: e

112A40の解説

高齢男性の片麻痺。画像ではAにて浮腫を伴った、造影効果の高い腫瘤影がみられる。Bにてびまん性のリンパ球浸潤、Cにてそれらリンパ球がCD20陽性であることをとらえよう。中枢神経系原発悪性リンパ腫の診断。
a 細菌感染ではないため、無効。
b 悪性リンパ腫は手術により摘出することが困難。
c ヘルペス感染ではないため、無効。
d 放射線治療を行う場合、定位的ではなく、全脳照射が行われる。
e 正しい。標準的治療である。

正答率:26%

テーマ:中枢神経原発悪性リンパ腫の治療

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