112A36

10歳の女児。血便を主訴に父親と来院した。6日前に家族と焼肉を食べに行った。3日前から水様下痢が出現し、昨日からは血便になり激しい腹痛を自覚するようになったため受診した。身長135cm、体重32kg。体温37.2℃。脈拍84/分、整。血圧120/70mmHg。血液所見:赤血球250万、Hb 8.2g/dL、Ht 25%、白血球9,000(桿状核好中球10%、分葉核好中球70%、リンパ球20%)、血小板8.0万。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。

この患者が合併しやすいのはどれか。

急性腎障害
急性肝不全
潰瘍性大腸炎
自己免疫性溶血性貧血
播種性血管内凝固〈DIC〉

解答: a

112A36の解説

女児の血便。焼肉を食べに行った後に血便がみられている。画像では破砕赤血球を同定可能。溶血性尿毒症症候群〈HUS〉が考えやすい。溶血によると思われる貧血、消耗によると思われる血小板減少も矛盾しない。
a 正しい。HUSには急性腎障害を合併しやすい。これにより血尿もみられる。
b 腎障害は有名だが、肝障害は一般的でない。
c 原発性硬化性胆管炎〈PSC〉や壊疽性膿皮症に合併しやすい。また、血液疾患としては骨髄異形成症候群〈MDS〉と関連がある。しかしHUSに合併しやすいことはない。
d 免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉に合併しやすい。
e DICでも破砕赤血球をみるが、HUSに合併しやすいことはない。

正答率:91%

テーマ:溶血性尿毒症症候群〈HUS〉の合併症

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