112A31

64歳の女性。右眼の充血と複視とを主訴に来院した。2週間前から症状を自覚していた。意識は清明。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧124/82mmHg。呼吸数16/分。右外転神経麻痺を認める。右眼窩外側縁で血管性雑音を聴取する。両眼部の写真(A)、頭部MRIのT1強調像(B)及び右内頸動脈造影側面像(C)を別に示す。

適切な治療はどれか。

眼窩内腫瘍摘出術
海綿静脈洞塞栓術
脳動静脈奇形摘出術
頸動脈ステント留置術
脳動脈瘤頸部クリッピング術

解答: b

112A31の解説

高齢女性の充血と複視。右外転神経麻痺があり、右眼窩外側縁で血管性雑音を聴取するという(「シューシュー」などと表現されるのが一般的だが、本問では特に記載はない)。画像に移ろう。Aでは右眼の充血と眼瞼下垂、眼球突出を指摘可能。Bでは眼球突出と右上眼静脈の拡張がある。Cでは海綿静脈洞へ還流する右上眼静脈の拡張がみられる。内頸動脈海綿静脈洞瘻〈CCF〉の診断。
a 眼窩内の腫瘍は指摘できない。
b 正しい。CCFへの標準的な対応である。
c 脳動静脈奇形〈AVM〉は指摘できない。
d 頸動脈狭窄による一過性脳虚血発作〈TIA〉などへの対応である。
e 脳動脈瘤は指摘できない。

正答率:86%

テーマ:内頸動脈海綿静脈洞瘻〈CCF〉の治療

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