112A30

5歳の男児。頭痛と嘔吐とを主訴に両親に連れられて来院した。1か月前から徐々に歩行がふらつくようになった。1週間前から頭痛と嘔吐が出現した。頭痛は早朝起床時に強いという。嘔吐は噴射状に起こるが、嘔吐後、気分不良はすぐに改善し飲食可能となる。意識は清明。体温36.2℃。脈拍92/分、整。血圧116/78mmHg。呼吸数20/分。CT検査のできる総合病院への紹介を検討している。

緊急度を判断するために当院でまず行うべき検査はどれか。

脳波
眼底検査
視野検査
脳脊髄液検査
頭部エックス線撮影

解答: b

112A30の解説

5歳男児の頭痛と嘔吐。特に誘引なく1か月前から症状がみられており、脳腫瘍など頭蓋内病変を疑いたい。CT検査がむろん必要となるが、そこまでのつなぎとして緊急性の判断を行うという臨床的な問題。
a てんかん等の精査に行う。そもそも緊急性の高い疾患に行う検査ではない。
b 正しい。頭蓋内圧亢進により、うっ血乳頭が出現している可能性がある。その場合は緊急性が高いと判断される。
c 緑内障等、眼科的疾患を疑った際に実施する。両耳側半盲を呈する下垂体腺腫などでも行うことはあるが、そうした視野異常がみられたからといって、何かしらの緊急性を判断できるわけではない。
d 頭蓋内圧亢進している可能性もあり、まず行うのは禁忌中の禁忌。
e 多発性骨髄腫〈MM〉におけるpunched out lesionを見る際、など頭蓋骨を評価する検査である。現時点で考慮されるものではない。

正答率:90%

テーマ:緊急性の高い頭痛と嘔吐とを除外するために行うべき検査

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