112A20

22歳の男性。炎天下での道路工事の作業中に頭痛と悪心が出現し、会社の車で来院した。建設作業員。17歳時に自然気胸のため入院している。家族歴に特記すべきことはない。意識レベルはJCS I-1。身長172cm、体重57kg。体温38.9℃。脈拍124/分、整。血圧96/48mmHg。呼吸数12/分。発汗なし。体幹部から末梢にかけて熱感を認める。瞳孔径は両側4mmで対光反射は正常である。臥位で頸静脈の虚脱を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。輸液を受け、症状は軽快した。

同じ勤務に復帰する上で適切な指導はどれか。

塩分の摂取を控える。
短時間の作業から開始する。
冷房の効いた屋内で過ごすことは避ける。
通気性を抑えた作業服の着用を推奨する。
水分は少ない回数で一度に大量に摂取する。

解答: b

112A20の解説

炎天下道路工事作業中での頭痛と悪心。高熱があり、熱中症を考える。輸液により症状は軽快しており、今回のエピソードは一件落着となりそうだ。再発を予防することが重要となる。
a 適切な電解質成分の補給が重要となる。「塩分」と限定するのも疑問であるし、いわんや「控える」必要はない。
b 正しい。長時間作業より短時間作業の方が確かに熱中症にはなりにくいだろう。徐々に慣れさせよう、という意図なのだろうか。いずれにせよ他の選択肢がナンセンスであり、消去法的にこれ以外は選べない。
c 冷房の効いた室内で過ごすことは熱中症予防につながる。
d 通気性に富んだ作業服の着用を推奨したい。
e 水分はこまめに摂取したい。

正答率:97%

テーマ:熱中症患者への指導

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