111I72

57歳の女性。口腔内の白色病変を主訴に来院した。約2週間前から、のどの違和感を自覚していたがそのままにしていた。昨日、鏡で見ると口蓋垂の周辺が点状に白くなっていることに気付いた。ざらざらとする違和感はあるが咽頭痛や発熱はない。約2年前から気管支喘息のため気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している。身長157cm、体重63kg。尿所見と血液所見とに異常を認めない。白色病変を綿棒でこすると剥離可能である。口腔、咽頭の写真を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

白板症
扁平苔癬
単純へルぺス
口腔カンジダ症
アフタ性口内炎

解答: d

111I72の解説

気管支喘息のため、副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している中年女性。局所的な免疫低下をきたしている。本文中の記載や画像所見より口腔ガンジダ症を考える。「白色病変を綿棒でこすると剥離可能」という記載が選択肢の除外に有効。
a 舌癌の前癌病変。綿棒でこすっても剥離しない。
b 皮膚に形成される角化病変。口腔内粘膜疹を伴うも、こちらも剥離はしない。
c 単純ヘルペスウイルスが原因となる。主に口唇にみられ、水疱を形成する。痛みを伴う。
d 正しい。上記の通り。
e 口腔内に潰瘍を形成する。有痛性のものと無痛性のものとがあるも、剥離しない。

正答率:88%

テーマ:副腎皮質ステロイドに由来する口腔内カンジダ症の診断

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