111I70

24歳の女性。長引く咳を主訴に来院した。3か月前から咳と痰とが出現していたがそのままにしていた。1か月前から症状が悪化し微熱を伴うようになってきた。身長156cm、体重48kg。体温37.6℃。脈拍80/分、整。血圧120/74mmHg。呼吸数20/分。胸部の聴診でcoarse cracklesを聴取する。塔痰塗抹Ziehl-Neelsen染色陽性。胸部エックス線写真で両側上肺野に異常陰影を認める。

現時点の対応として適切なのはどれか。

保健所へ届ける。
特定機能病院に紹介する。
抗菌薬による治療を開始する。
同居者や密接接触者の健康診断を行う。
患者にマスクを着用させて個室に誘導する。

解答: e

111I70の解説

長引く咳嗽と喀痰、発熱。喀痰塗抹Ziehl-Neelsen染色が陽性であることから、肺結核を疑う。胸部エックス線写真の異常陰影も矛盾しない。
a 届け出のようなお役所仕事は優先度が低い。まずは排菌している可能性の高い、本患者を隔離すべきだ。
b PCRを施行して診断した後、自院で対応できないと判断したケースでは考えうる。
c 結核は厳密には細菌に分類されるが、一般細菌とは区別される。そのため、抗菌薬ではなく抗結核薬が有効となる。
d PCRを施行して診断した後、接触者感染を考慮する。
e 正しい。周囲への空気感染を予防すべく、喀痰塗抹Ziehl-Neelsen染色が陽性の時点で本人へのマスク着用と隔離とを実施する。

正答率:93%

テーマ:結核疑いの患者への対応

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