111I45

75歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。7年前からParkinson病で通院中である。1か月前から歩き始めの一歩が出づらくなり、急に立ち止まってしまうことが多くなった。今朝トイレに行こうとして自宅の廊下で転倒し、家族に付き添われて受診した。レボドパ〈L-dopa〉とドロキシドパが処方されている。意識は清明。右頬部と右肘部とに皮下出血を認める。胸部、腰部および四肢に圧痛はない。四肢に無動とわずかな筋強剛とを認める。歩行は速やかで手の振りも良好であるが、狭いところや方向転換の際には急に立ち止まってしまい、すくんでしまう。頭部CTで異常を認めない。

最も適切な助言はどれか。

「片足立ちの練習をしましょう」
「足首を支える装具を着けましょう」
「外出時は車椅子を使用しましょう」
「身体を手で押してもらって抵抗力をつけましょう」
「家の床に歩幅間隔の目印として横線を引きましょう」

解答: e

111I45の解説

歩行障害を認める75歳男性。7年前にParkinson病の診断はついており、治療も開始されている。すくみ足を認めており転倒するなど、生活に支障が出ている。
a ロコモーショントレーニングである。Parkinson病患者に筋強剛はあっても、筋力低下はないので片足立ち訓練は不要。
b 足関節の装具は下垂足に有用であるがすくみ足の治療とはならない。
c 歩ける患者に車椅子は必要ない。現時点での能力を活かす治療を考える。
d 転倒歴のある患者を押しては余計に転倒を招く可能性がある。
e 正しい。横線、という視覚的刺激を利用して、すくみ足の改善を狙う。

正答率:81%

テーマ:Parkinson病患者の歩行障害への助言

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