111I42

21歳の男性。38℃台の発熱と倦怠感とを主訴に来院した。眼瞼結膜は貧血様である。頸部に小指頭太のリンパ節を数個触知する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。血液所見:赤血球210万、Hb 7.4g/dL、Ht 23%、白血球16,000(異常細胞60%)、血小板6万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。異常細胞のペルオキシダーゼ染色は陰性。

診断はどれか。

急性前骨髄球性白血病
急性リンパ性白血病
成人T細胞白血病
慢性骨髄性白血病
慢性リンパ性白血病

解答: b

111I42の解説

貧血、血小板低下、白血球16,000と高値(そのうち異常細胞が60%)を認め、発熱と倦怠感を伴っていることから白血病を疑う。ペルオキシターゼ染色が陰性であることから急性リンパ性白血病〈ALL〉(と一部の急性骨髄性白血病〈AML〉)を考える。画像では白血病裂孔が陽性で、リンパ系と思われる単一芽球の増加がみられている。
a 急性前骨髄性白血病では血液像にてfaggot細胞やAuer小体がみられる。
b 正しい。リンパ節触知も伴っており、ALLが考えやすい。
c 成人T細胞白血病は末梢血の異型リンパ球(flower細胞)が特徴的である。
d 慢性骨髄性白血病では白血病裂孔が陰性となる。また、血小板数は増加する。
e 慢性リンパ性白血病では白血病裂孔が陰性となる。
104I51のプール問題。当時は57歳男性で出題があり、今回は21歳男性。年齢により血液標本はそんなに変わるものではないと思うが、ちょっと若返りすぎな感がある。

正答率:88%

テーマ:急性リンパ性白血病〈ALL〉の診断

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