111G44

32歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。母親が慢性腎不全で血液透析を受けている。両側季肋部から両側側腹部に腫瘤を触知し、軽度の圧痛を認める。血圧146/92mmHg。尿所見:蛋白(±)、潜血(−)。血液生化学所見:尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。左の側腹部の腹部超音波像(A)と腹部CTの冠状断像(B)とを別に示す。

次に行うべき検査はどれか。

腎生検
頭部MRA
排泄性尿路造影
下部消化管内視鏡
ガリウムシンチグラフイ

解答: b

111G44の解説

若年女性の腹部膨満感。血圧が高く、画像A, Bより多発性嚢胞腎〈PKD〉の診断となる。遺伝性疾患であるため、母が慢性腎不全なのも合点がいく。
a 嚢胞の内容物が吸引できるが、すでに診断されており有用性は低い。
b 正しい。合併症として知られる、脳動脈瘤の検索を行う。
c 腎盂以下の尿路に障害は予想されないため、排泄性尿路造影の有用性は低い。
d 大腸憩室を合併することがあるが、致命的ではなく、現時点で検索をする必要性は低い。
e 炎症の広がりをみる検査であるが、PKDでは炎症はみられないため有用性は低い。
107A42の類題。

正答率:84%

テーマ:多発性嚢胞腎の検査

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