111G42

58歳の男性。右中咽頭癌で放射線化学療法のため入院中である。終了予定線量66Gy(2Gy/日)で放射線治療を開始したが、40Gy照射した時点で口腔内の痛みのため食事の摂取が困難になった。便通は正常である。栄養サポートチーム〈NST〉に相談して食事形態の見直しと十分な疼痛管理とを行ったが改善しない。身長172cm、体重56kg。脈拍84/分、整。血圧134/80mmHg。口腔内の写真を別に示す。

最も適切な対応はどれか。

胃瘻を造設する。
腸瘻を造設する。
末梢静脈栄養を行う。
経鼻経管栄養を行う。
中心静脈栄養を行う。

解答: d

111G42の解説

画像にて頬粘膜の潰瘍・びらんが見られる。放射線化学療法による口腔内粘膜炎の診断。食事摂取が困難になっており、栄養の投与経路を考えねばならない。第一手としては極力生理的なルートを選ぶべきだ。
a・b 造設手術が必要となり、侵襲がある。
c・e 消化管を使用しない栄養方法であり、非生理的。便通は正常であることから、極力栄養は経消化管で投与したい。
d 正しい。口腔内の痛みが問題であるため、経鼻経管栄養で直接胃へ届けることが有効となる。

正答率:62%

テーマ:放射線による口内炎により食事摂取困難な患者への栄養投与方法

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