111E50

61歳の男性。人間ドックでPSA 23.0ng/mL(基準4.0以下)を指摘され来院した。自覚症状はない。家族歴は父親が前立腺癌で死亡。直腸指診で前立腺左葉に硬結を触知する。経直腸超音波検査で前立腺左葉に低エコー領域を認める。前立腺針生検で8か所中2か所に低分化腺癌(Gleasonscore 5+4)を認める。

この患者に説明する内容として正しいのはどれか。

偶発癌である。
非上皮性腫瘍である。
遺伝的要因が疑われる。
肺と肝とに転移しやすい。
直腸への播種が疑われる。

解答: c

111E50の解説

PSA高値をきっかけとした精査で低分化前立腺癌が発見された症例。臨床問題ではあるが、一般問題に近い出題形式。1つ1つの選択肢を吟味していこう。
a 前立腺肥大症等、良性疾患を疑って切除された組織に偶然発見された癌を偶発癌と呼ぶ。本問ではあてはまらない。
b 癌は上皮性のものである。
c 正しい。前立腺癌の背景として遺伝子異常が知られている。父親が前立腺癌で死亡していることから遺伝的要因が疑われる。
d 骨転移しやすい。
e 直腸播種があった場合、便秘等の症候がみられるはずだ。本問の記載だけからは考えにくい。

正答率:57%

テーマ:前立腺癌患者への説明

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