111D20

38歳の女性。3回経妊3回経産婦。月経痛を主訴に来院した。30歳ごろから徐々に月経時の下腹部痛と腰痛が強くなってきた。月経周期は28日型、整、持続7日間。内診で子宮は腫大、弾性硬で圧痛はない。Douglas窩に圧痛を認めない。身長156cm、体重55kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧110/58mmHg。血液所見:赤血球350万、Hb 9.1g/dL、白血球5,500、血小板22万。骨盤部MRIのT2強調矢状断像を別に示す。

診断はどれか。

子宮筋腫
子宮肉腫
子宮頸癌
子宮腺筋症
子宮内膜癌

解答: a

111D20の解説

108A13102D60で繰り返し出題されている子宮筋腫の画像である。本問は診断を問うており、かなり容易いはずなのだがdを選んだ学生が多く、正答率は60%程度となった。
a 正しい。上記の通り。月経困難症の記載もヒントにはなるが、実質的に画像一発問題である。
b・e 子宮内に発生する病変であり、本画像のように筋層に腫瘤性病変はみない。また、悪性病変であるため8年間の歳月をかけて徐々に大きくなるということも考えにくい。
c 文字通り、子宮頸部の病変であるが画像上、子宮頸部には異常を認めない。また、悪性病変であるため8年間の歳月をかけて徐々に大きくなるということも考えにくい。
d 子宮腺筋症は子宮筋層内に異所性の子宮内膜が形成されてしまう疾患である。ゆえに本画像のように境界明瞭な腫瘤はみとめない。

正答率:57%

テーマ:子宮筋腫の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック