111C22

45歳の男性。3時間前に左下肢を耕うん機に挟まれたため救急車で搬入された。現場で副子固定を受けている。1年前の人間ドックでは特に異常を指摘されていない。意識は清明。心拍数88/分、整。血圧100/60mmHg。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。開放創は土壌で軽度に汚染され脛骨の骨片が露出している。後脛骨動脈の脈拍を触知し、足底の感覚は保たれているが、足背は感覚が脱失し、足趾は背屈不能である。血液所見:赤血球433万、Hb 14.2g/dL、白血球4,200。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL、CK 253U/L(基準30〜140)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。CRP 0.1mg/dL。下肢の写真(A)とエックス線写真(B)とを別に示す。直ちに輸液を開始し、麻酔下で創部の洗浄を行った。

次に行うべき処置はどれか。

植皮
血管吻合
大腿切断
神経縫合
デブリドマン

解答: e

111C22の解説

画像より左下腿の開放骨折と分かる。足背の感覚脱失と足趾の背屈不能があり、総腓骨神経も損傷を受けていると考えられる。
a・d 急性期に行われる処置ではない。
b 出血が持続するケースでは止血を図るが、血管吻合は急がない。
c 後脛骨動脈の拍動は触知し、足底の感覚は保たれている。切断まではせずに対応できそうだ。
e 正しい。汚染創であり、まずはデブリドマンを行う。

正答率:93%

テーマ:下肢を耕うん機で挟まれた患者への処置

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