111B57

この患者の病態を検討するのに、有用な所見が得られる可能性が高い身体診察はどれか。3つ選べ

脊椎の叩打痛
甲状腺の触診
四肢の腱反射
副鼻腔の叩打痛
腋窩リンパ節の触診

解答: a,b,dまたはa,d,e

111B57の解説

a 正しい。咳をした際に腰の痛みを自覚していることから、脊椎炎を鑑別に挙げる。
b △。発熱と咽頭痛からは、亜急性甲状腺炎等の甲状腺疾患を鑑別に挙げることが可能。
c 項部硬直は認めておらず、髄膜炎や脳炎は否定的。その他神経疾患を疑う症候も記載がないため、四肢腱反射を確認する必要性は低い。
d 正しい。咳をした際にこめかみの痛みを自覚していることから、副鼻腔炎を鑑別に挙げる。
e △。リンパ節の触診(広がり、圧痛の有無、硬さや可動性の確認)を感染症の存在下で行うことは間違いとは言えない。
※2通りの正答パターンが公表された。aとdは確実な正解であり、もう1つの選択肢としてbまたはeを選んだ者が正答と扱われた(例えば、a・b・eを選んだ者は得点をもらえなかった)。
※臨床的色彩を強めるのは結構だが、作問者に能力がないと本問のようにいたずらに受験生を悩ませるだけの悪問となる。112回医師国家試験以降は臨床問題のウェイトが高まるが、こうした悪問が増えるだけとならないことを祈る。

正答率:65%

テーマ:【長文2/3】感冒症状を呈する高齢者への身体診察

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