111B42

77歳の女性。持続性の上腹部痛を主訴に来院した。3か月前から食欲不振を認め、精査の結果、胃癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、経過観察することとなった。3週間前から上腹部痛が出現し、次第に増強した。外来で非ステロイド性抗炎症薬〈NSAID〉が投与され一時的に疼痛は軽減したが、2日前から再び増悪したため受診した。疼痛コントロール目的でオピオイドの投与を開始することとなった。

対応として適切なのはどれか。

緩下薬を併用する。
持続的皮下投与を行う。
NSAIDの投与を中止する。
悪心が出現した場合は中止する。
神経障害性疼痛治療薬を併用する。

解答: a

111B42の解説

終末期医療において、オピオイドの投与を開始することとなった高齢女性。
a 正しい。オピオイドの副作用として嘔吐と便秘があることは重要だ。QOLを低下させる要因となるため、緩下薬を併用することが望ましい。
b 経口投与が原則となる。
c NSAIDは併用可。
d 制吐薬を併用したり、オピオイドの種類を変更する、など細かな配慮を行う。
e 胃癌とその肝転移であり、内臓痛がメインと考えられる。神経性疼痛の記載はなく、それに対する治療薬の併用は必要なさそうだ。

正答率:90%

テーマ:オピオイド投与時に留意すべきこと

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