111B38

ヒトのサーカディアンリズムについて正しいのはどれか。2つ選べ

高照度光によって変化する。
深部体温の日内変動が指標となる。
成人における周期は約27時間である。
加齢によって後退し睡眠時間帯が遅くなる。
時差への適応は、後退よりも前進させる方が容易である。

解答: a,b

111B38の解説

24時間の明暗の周期に従った体内の生理的変動を概日リズム〈サーカディアンリズム〉と呼び、これに従って我々は睡眠と覚醒とをする。
a 正しい。この事実を利用し、不眠障害の患者は朝に太陽光を浴び、体内時計をリセットすることが推奨される。
b 正しい。深部体温は覚醒期に高く、睡眠期に低い傾向がある。逆に言えば、深部体温の日内変動をサーカディアンリズムの指標とすることができる。
c 成人における周期は24〜25時間と言われる。
d 加齢によって前進し、睡眠時間帯は早くなることが多い。
e 時差への適応は後退させる方が容易である。

選択肢eについて、分かりやすく具体例を挙げて説明しよう。日本を朝5時に経ち、10時間のフライトに乗ったとする。体内時計としては15時である。到着地の現地時間が10時だった例と、20時だった例はどちらが適応しやすいだろうか。就寝時間を日本と同一にするためには、現地時間10時に到着した例では、5時間ほど余分に起きていなくてはならないこととなる。一方、現地時間20時に到着した例では、5時間ほど早く寝なければならないこととなる。

ところで本解説をお読みの諸君は日頃何時に寝るだろうか。例えば平素は夜23時に寝るとしよう。「今日は例外で18時に寝てください(つまりいつもより5時間早く寝なくてはいけない)」or「今日は例外で朝4時まで起きてて下さい(つまりいつもより5時間余分に起きていないといけない)」とお願いされたとき、どちらが楽か。前者は「前進」、後者は「後退」と呼ばれる。一般の方にとっては「後退」の方が楽だとお分かりいただけたはずだ。

正答率:55%

テーマ:ヒトのサーカディアンリズムについて

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