111A9

心臓腫瘍について誤っているのはどれか。

粘液腫の頻度が最も高い。
粘液腫は左房に好発する。
粘液腫は脳塞栓の原因となる。
原発性腫瘍は転移性腫瘍より頻度が高い。
原発性悪性腫瘍の5年生存率は約80%である。

解答: e

111A9の解説

a 原発性心臓腫瘍の約70%が良性腫瘍、残り30%が悪性腫瘍である。良性腫瘍では粘液腫の頻度が最多。
b 「左房粘液腫」という用語が定着するほど、左房に多い。
c 粘液腫の成分がちぎれて塞栓子を形成し、脳塞栓をきたす。
d 心臓腫瘍自体が頻度的に剖検2000例当たり1例未満と極めて稀であり、疫学は文献により異なる。「転移性悪性腫瘍が多い」とする書籍もあるが、本問ではeが明らかに誤りであり、おそらくは本選択肢は「正しい」と判定させる趣旨なのであろう。今後の国試対策としては本選択肢どおりに「原発性の方が多い」と覚えておけばよいと思われる。
e 誤り。原発性の心臓悪性腫瘍としては悪性中皮腫、肉腫、悪性リンパ腫などがあるが、多くが1年以内に死亡する。極めて予後不良な疾患である。

正答率:68%

テーマ:心臓腫瘍について

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