111A53

40歳の男性。発熱、右膝関節痛、左股関節痛および左足関節痛を主訴に来院した。4日前から左股関節痛が出現し、2日前には右膝関節痛と左足関節痛が出現した。関節痛は徐々に増悪し、立っていることができなくなったため受診した。2週間前に異性と性交渉をもったという。体温38.1℃。脈拍80/分、整。血圧130/60mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めず、肝・脾を触知しない。表在リンパ節は触知しない。血液所見:赤血球475万、Hb 14.2g/dL、Ht 45%、白血球11,000、血小板38万。血液生化学所見:AST 20U/L、ALT 22U/L、LD 202U/L(基準176〜353)、CK 45U/L(基準30〜140)、クレアチニン0.7mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 103mEq/L。免疫血清学検査:CRP 5.6mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉陰性。尿中クラミジア抗原陽性。

この患者で認められる可能性が高いのはどれか。2つ選べ

網状皮斑
Osler結節
結膜の充血
爪下線状出血斑
アキレス腱付着部の圧痛

解答: c,e

111A53の解説

2週前に異性と性交渉をもった後に出現した関節炎。尿中クラミジア抗原が陽性であり、反応性関節炎〈Reiter症候群〉を考える。
a 抗リン脂質抗体症候群〈APS〉などでみられる。
b・d 感染性心内膜炎〈IE〉でみられる。
c 正しい。結膜炎、尿道炎、関節炎が反応性関節炎の3徴である。
e 正しい。反応性関節炎では腱付着部炎もみられ、アキレス腱付着部に好発する。

正答率:68%

テーマ:反応性関節炎〈Reiter症候群〉で認められる症候

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