111A47

55歳の女性。0回経妊0回経産婦。閉経48歳。不正性器出血を主訴に来院した。2か月前から断続的な性器出血がある。身長148cm、体重60kg。体温36.5℃。脈拍76/分、整。内診で子宮は10cmに腫大、可動性は良好。付属器に異常を認めない。膣鏡診で外子宮口からの出血を認める。

行うべき検査として適切でないのはどれか。

骨盤部MRI
子宮頸部細胞診
子宮内膜組織診
経膣超音波検査
ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査

解答: e

111A47の解説

閉経後の中年女性の不正性器出血。この段階で子宮体癌の存在は必ず念頭に置きたい。内診で子宮が腫大していることから、これを精査していくこととなる。
a・d 視覚的に子宮病変を評価することが可能。
b 子宮頸癌も完全に否定することはできないため、「適切でない検査」とまでは言えない。また、子宮体癌が子宮頸部に及んでいる可能性もある。
c 子宮内膜の病理所見を評価することが可能。
e 誤り。ヒトパピローマウイルスは確かに子宮頸癌のリスクとなるが、現在すでに病変の存在が疑われるため現時点での陽性や陰性を証明しても今後の対応・治療には役立たない。
※「子宮頸癌」という観点からはbもeも関係しているため、診療プロセスをしっかり理解していないとeを誤りと断ずることは難しかったと思われる。

正答率:72%

テーマ:子宮体癌(または子宮頸癌)の検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし