111A46

75歳の男性。コミュニケーションが取れないため家族に連れられて来院した。2年前から会話が指示代名詞ばかりとなり、次第に言葉数が少なくなった。周囲に対して関心を示さず、部屋に閉じこもるようになり、最近は目的もなく毎日決まった時刻に全く同じルートを徘徊し、制止しても言うことをきかないという。神経学的所見に異常を認めない。改訂長谷川式簡易知能検査は協力が得られない。

考えられるのはどれか。

脳血管性認知症
前頭側頭型認知症
Lewy小体型認知症
Alzheimer型認知症
Creutzfeldt-Jakob病

解答: b

111A46の解説

自発語の減少、無関心、自閉、時間表的生活、脱抑制、といったキーワードの連発である。前頭側頭型認知症の診断となる。
a 脳血管障害により、神経学的所見がみられる。
b 正しい。上記の通り。
c 幻視や認知機能障害、REM睡眠行動障害がみられる。
d 認知機能障害が前面に出る。
e 急速に進行する認知機能障害が特徴的。
※改訂長谷川式簡易知能検査で協力が得られておらず、認知機能低下の有無については断言できないが、ここまでヒントが多ければb以外選べまい。

正答率:88%

テーマ:前頭側頭型認知症〈FTD〉の診断

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