111A39

18歳の男子。胸痛と呼吸困難とを主訴に来院した。ランニングの途中に突然の右胸部痛と呼吸困難とが出現し、約10分様子をみていたが呼吸困難が更に悪化したため来院した。脈拍104/分、整。血圧90/60mmHg。SpO2 92%(room air)。頸静脈の怒張を認める。呼吸音は右側で減弱、右胸部の打診は鼓音を呈している。酸素投与を開始し、胸部エックス線写真を撮影したところ右肺の完全虚脱と左側への縦隔偏位を認めた。

直ちに行う処置はどれか。

下肢挙上
胸腔ドレナージ
昇圧薬投与
人工呼吸器管理
鎮痛薬投与

解答: b

111A39の解説

若年男性がランニング中に突然の胸痛をみている。右側で呼吸音の減弱と打診での鼓音とがみられるため気胸を疑う。エックス線の所見で確定診断となる。
a 静脈還流を増加させる手技。気胸の治療ではない。
b 正しい。気胸の第一選択となる治療である。
c 血圧低下は閉塞性ショックの病態による。左室充満が出来ていない以上、昇圧薬は無効。
d air leakが増悪するため、人工呼吸器管理は禁忌。
e 対症療法に過ぎず、気胸の根本的治療ではない。

正答率:96%

テーマ:気胸に直ちに行う処置

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