111A38

61歳の男性。頭痛を主訴に来院した。中小企業の経営者で、毎年6月には閉め切った部屋で資料作成をしているが、今年の夏は節電のため冷房を使わずに業務にあたっていた。1週間前から食欲が低下し、本日の昼から頭部全体が締め付けられるような頭痛と全身倦怠感とを自覚したため受診した。尿量は減少しているという。意識は清明。体温37.4℃。脈拍80/分、整。血圧114/76mmHg。呼吸数24/分。SpO2 97%(room air)。口腔内は乾燥しているが皮膚は発汗のため湿潤している。頸静脈の怒張は認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見:赤血球509万、Hb 18.0g/dL、Ht 53%、白血球8,800、血小板25万。血液生化学所見:CK 290U/L(基準30〜140)、尿素窒素23mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、血糖97mg/dL、Na 141mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 0.0mg/dL。

治療として最も適切なのはどれか。

利尿薬
抗うつ薬
経口補液
トリプタン
非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉

解答: c

111A38の解説

締め切った部屋で冷房を使わずに作業していた高齢男性。熱中症(I度)と脱水とが考えられる。CK上昇より、筋崩壊もありそうだ。
a 脱水が増悪してしまう。
b うつ病に有効。
c 正しい。口から飲めそうなので、経口補液が優先される。
d 機能性頭痛に有効。
e 熱中症では発熱をみるも、非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉に対する反応性は悪いため有効ではない。

正答率:95%

テーマ:熱中症の治療

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