111A23

38歳の男性。発熱と陰嚢痛とを主訴に来院した。5日前から39℃台の発熱、悪寒、頭痛および耳前部の痛みを自覚していた。2日前から発熱と痛みは軽快していた。本日朝から左陰嚢の腫大と疼痛、下腹部痛および悪心を自覚している。2週間前に6歳の息子が流行性耳下腺炎と診断されていた。流行性耳下腺炎のワクチン接種歴はない。その他の既往歴に特記すべきことはない。身長172cm、体重68kg。体温36.8℃。脈拍76/分、整。血圧134/80mmHg。呼吸数16/分。頸部リンパ節は触知しないが両側顎下部に軽度の圧痛を認める。左陰嚢に軽度発赤を認める。左精巣は腫大し強い自発痛を認める。

診断として考えられるのはどれか。

精巣腫瘍
急性精巣炎
精巣捻転症
壊死性筋膜炎
急性精巣上体炎

解答: b

111A23の解説

息子が流行性耳下腺炎と診断されており、本人に同疾患のワクチン接種歴がない。この背景下で発熱と陰嚢痛が出現しており、ムンプスウイルス感染による急性精巣炎を考えたい。
a 炎症所見や強い自発痛はみない。
b 正しい。上記の通り。
c 発赤と疼痛をみる点は矛盾しないが、精巣捻転症は小児〜思春期に好発する病態であるため、流行性耳下腺炎のストーリーが示してある以上あえて選択すべき選択肢ではない。
d 陰嚢の発赤は軽度であり、壊死性筋膜炎は考えにくい。
e 精巣自体が腫大している旨が示されており、精巣上体炎は考えにくい。

正答率:60%

テーマ:流行性耳下腺炎に合併した急性精巣炎

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