111A21

31歳の女性。1回経妊0回経産婦。胞状奇胎の治療後に妊娠反応陽性が持続するため紹介されて来院した。1年前から不妊外来で排卵誘発薬の投与を受けていた。3か月前に妊娠反応陽性となったが、全胞状奇胎と診断され2回の子宮内容除去術を受けた。基礎体温は1相性である。内診で子宮はやや腫大、軟。超音波検査で後壁筋層内に血流豊富な径1.5cmの腫瘤を認める。脳、肝、腎臓および膣に異常を認めない。血清hCGの推移(A)と肺野条件の胸部CT(B)とを別に示す。

治療として適切なのはどれか。

手術療法
放射線療法
ホルモン療法
抗癌化学療法
分子標的薬投与

解答: d

111A21の解説

胞状奇胎後、6か月以内にhCG値が再上昇している(A)。Bでは肺転移を認めており、侵入奇胎を考える。
a 不妊外来に通っており、挙児希望があると考えられる。本疾患への手術は子宮全摘術であるため、最適な治療とは言えない。
b・c・e 侵入奇胎に放射線治療やホルモン療法、分子標的薬投与は無効である。
d 正しい。メトトレキサートやアクチノマイシンDによる抗癌化学療法が有効である。

正答率:90%

テーマ:侵入奇胎とその肺転移の治療

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