110I73

78歳の女性。右片麻痺と意識障害のため救急車で搬入された。昨晩はいつもどおりに就寝したが、本日の朝、意識がなくなっているのを夫が発見し、救急車を要請した。これまでに脂質異常症を指摘されたことがある。意識レベルはJCS III-100。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧156/92mmHg。呼吸数16/分。右片麻痺を認める。血液所見:赤血球410万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球6,600、血小板31万。血糖96mg/dL。CRP 0.2mg/dL。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。頭部単純CT(A)を別に示す。開頭手術を行い血腫を除去した。術中採取した血腫周囲の脳組織のCongo-Red染色標本(B)を別に示す。
脳出血の原因で最も考えられるのはどれか。
高血圧症
脳動脈瘤
脳動静脈奇形
抗リン脂質抗体症候群
アミロイドアンギオパチー

解答: e

110I73の解説

Congo-Red染色、という記載よりアミロイドーシスの診断は容易であろう。Bにて血管壁に沿ったアミロイド沈着がみられている。これにより脳血管が脆弱となりAでは皮質下出血がみられ、右片麻痺と意識障害へと至った。アミロイドアンギオパチーの診断。
a〜c 脳出血はきたしうるも、Congo-Red染色が説明つかない。
d 脳梗塞をきたしうる。Congo-Red染色も説明つかない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:94%

テーマ:アミロイドアンギオパチーの診断

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