110I48

生後4週の乳児。元気がないことを心配した母親に連れられて来院した。出生時から左大腿の紅色腫瘤を指摘されていたが、5日前から次第に増大した。前日から活気不良となり腫瘤の色も変わってきたという。来院時、成人手拳大の暗紫紅色、弾性硬の皮下腫瘤がみられる。血液所見:赤血球410万、白血球12,000、血小板4万、Dダイマー13.8μg/mL(基準1.0以下)。大腿部の写真を別に示す。
最も考えられる疾患はどれか。
Kasabach-Merritt症候群
Osler病
Sturge-Weber症候群
von Recklinghausen病
Wiskott-Aldrich症候群

解答: a

110I48の解説

急速に増大する左大腿の紅色腫瘤。画像ではもはや色が黒っぽくなっており(本文で「暗紫紅色」と示されている)、腫瘤内で血栓形成や出血が起こっていることが予想される。血小板の減少とDダイマーの高値からは播種性血管内凝固〈DIC〉を疑う。DICを合併する血管腫として考えたいのはKasabach-Merritt症候群である。
a 正しい。上記の通り。
b 別名、遺伝性出血性末梢血管拡張症。反復する鼻出血や、肺や脳の動静脈瘻をみる。
c 顔面の三叉神経領域に沿った血管腫をみる。また、てんかん発作や精神発達遅滞といった中枢神経症状も出現する。
d 別名、神経線維腫症1型。cafe au-lait斑や神経線維腫をみる。また、中枢神経症状や骨格異常(脊柱側弯など)も出現する。
e 原発性免疫不全症の1つ。易感染性に加え、血小板減少や湿疹をみる。

正答率:90%

テーマ:Kasabach-Merritt症候群の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし