110I47

25歳の女性。発熱と関節痛とを主訴に来院した。3週前から38℃台の発熱があった。自宅近くの診療所を受診しセフェム系抗菌薬を処方され服用したが、症状が改善しないため紹介されて受診した。身長147cm、体重52kg。体温37.7℃。脈拍112/分、整。血圧120/70mmHg。頬部に紅斑を認める。胸部に異常を認めない。下腿に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血2+、沈渣に赤血球10〜29個/1視野、白血球5〜9個/1視野、顆粒円柱1個/数視野、尿蛋白4.2g/日。血液所見:赤血球321万、Hb 9.0g/dL、Ht 28%、白血球3,000、血小板11万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン2.2g/dL、IgG 2,100mg/dL(基準960〜1,960)、IgA 486mg/dL(基準110〜410)、IgM 188mg/dL(基準65〜350)、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.6mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.5mg/dL、抗核抗体1,280倍(基準20以下)、MPO-ANCA 20EU/mL未満(基準20未満)、PR3-ANCA 10EU/mL未満(基準10未満)。
血清で低値を示すのはどれか。
LD 値
補体価(CH50
抗dsDNA抗体価
フィブリノゲン値
総コレステロール値

解答: b

110I47の解説

セフェム系抗菌薬が無効な発熱と関節痛。蝶形紅斑と汎血球減少とを認め、IgAやIgGの上昇があり、抗核抗体も陽性であることから全身性エリテマトーデス〈SLE〉を考える。
a 炎症による組織破壊や溶血によりLDは上昇する。
b 正しい。補体価は低下する。
c SLEにて上昇する抗体である。
d・e 尿蛋白3+、アルブミン<3g/dLでありネフローゼ症候群を呈している。ネフローゼ症候群では代償的な肝合成の亢進により、これらの値が上昇する。

正答率:95%

テーマ:全身性エリテマトーデス〈SLE〉で低値を示す検査項目

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