110H36

その後の経過:適切な治療により状態は安定し、肺炎の診断で入院となった。喀痰のGram染色で好中球によるGram陽性双球菌の貪食像を認めたため、酸素投与に加えてペニシリン系抗菌薬の点滴静注が開始された。5日後、喀痰は減り、呼吸状態も改善して酸素も不要となったが、38℃台の発熱が再燃するとともに頻回の下痢が出現した。
まず行うべき検査はどれか。
抗核抗体
注腸造影
腹部造影CT
上部消化管内視鏡検査
便中C.difficile毒素

解答: e

110H36の解説

高齢者に抗菌薬を投与した後にみられた「頻回の下痢」。偽膜性腸炎を想起するには十分な情報である。
a 膠原病を疑った際に測定する。
b 腸重積や大腸癌など腸管の器質性病変を疑った際に実施する。
c bで示したような器質性病変の他、癌の転移、血栓症などを判別することができる。
d 偽膜性腸炎は下部消化管内視鏡で判定される。
e 正しい。偽膜性腸炎の原因はC.difficileである。

正答率:98%

テーマ:【長文2/2】偽膜性腸炎の検査

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