110G68

その後の経過:入院10日目の昼ころから、心窩部に軽い痛みを感じるようになった。翌朝、黒色便が出現した。意識は清明。体温36.6℃。脈拍100/分、整。血圧98/56mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。
対応として適切でないのはどれか。
アスピリンの中断
ビタミンKの静注
上部消化管内視鏡検査
プロトンポンプ阻害薬の投与
チエノピリジン系抗血小板薬の中断

解答: b

110G68の解説

心窩部痛と黒色便の出現より、消化性潰瘍からの出血を考える。原因となった薬剤はどれか、を選ばせる「高齢者とクスリ」の典型問題。
a アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉に分類され、消化性潰瘍の原因となる。
b 誤り。ワルファリン内服時にそれに拮抗すべくビタミンK静注が有効となる。本患者はワルファリン服用がないため、不要な対応である。
c 上部消化管内視鏡検査にて消化性潰瘍を同定する。
d 消化性潰瘍の治療に有効である。
e 抗血小板薬は出血のリスクとなる。これを中断するのは正しい対応である。
※凄まじく長い症例文だが、結局のところほぼ読む必要がない。全部真面目に読んだ受験生が報われるような出題を期待したいところだ。

正答率:60%

テーマ:【長文3/3】黒色便が出現した際の対応

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