110G67

入院後の経過:入院し適切な治療を行ったところ徐々に病状は改善し、入院3日目には、酸素投与を中止し内服薬をすべて再開した。入院5日目の夜、トイレに行こうとしてベッドサイドで転倒した。意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧138/84mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96%(room air)。大腿骨エックス線写真と腰椎エックス線写真で骨折を認めない。頭部CTで異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。
身体拘束
尿道カテーテル留置
ビスホスホネート製剤の投与
病院医療安全対策部門への報告
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の投与

解答: d

110G67の解説

ベッドサイドで転倒しており、精査により転倒による異常はなさそうだ。再発防止策の検討が重要となる。
a せん妄等により意思疎通が困難な状態で徘徊がみられる時には身体拘束を検討せざるを得ないが、本症例はそのような記載はなく、身体拘束は逆に廃用を招くため不適切である。
b 急性期には尿量測定の意義もあり留置することがあるが、記載ではすでに内服薬を再開し安定期に入りつつあるので留置しない。長期の留置は排尿障害や廃用を招くためなるべく早期に抜去を検討する。
c 圧迫骨折を来し骨粗鬆症が疑われる場合は検討するが、そのような記載はなく不要である。
d 正しい。病院医療安全対策部門へ報告をし、再発防止策を検討する。
e 内服により意識がもうろうとなり夜間転倒リスクが上昇してしまうため、逆効果である。

正答率:100%

テーマ:【長文2/3】高齢者の転倒後の対応

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