110G50

6歳の男児。発熱を主訴に母親とともに来院した。10日前に家族で東南アジアに旅行に出かけ5日前に帰国した。4日前に発熱と咳、鼻汁、眼脂および口腔内の粘膜疹が出現した。昨日から高熱となり皮疹も出現したため受診した。意識は清明。体温39.9℃。両側の眼球結膜は充血し、咽頭に発赤を認める。両側の頸部に径1cmのリンパ節を数個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球455万、Hb 12.7g/dL、Ht 35%、白血球3,300(好中球63%、好酸球1%、好塩基球0%、単球8%、リンパ球28%)、血小板20万。血液生化学所見:AST 12U/L、ALT 35U/L、LD 446U/L(基準176〜353)。CRP 0.8mg/dL。咽頭ぬぐい液迅速検査:アデノウイルス陰性、A群β溶連菌陰性。皮膚の写真を別に示す。
家族への説明で最も適切なのはどれか。
「熱が下がったら登校してもよいです」
「発疹が消えたら登校してもよいです」
「咳が出なくなるまで登校してはいけません」
「熱が下がった後3日を経過するまで登校してはいけません」
「すべての発疹がかさぶたになるまで登校してはいけません」

解答: d

110G50の解説

「東南アジア旅行」というエピソードからは寄生虫感染など国内にほぼ存在しない疾患を思い浮かべてしまう。が、口腔内粘膜疹(→Koplik斑)、2峰性を思わせる発熱と2峰目と思しき発熱エピソードと合致する皮疹出現、典型的な画像、より麻疹を考える。現在は海外から輸入される麻疹も多く、出題者は喚起を呼びかけているのであろう。
a 解熱後3日を経過するまで登校は許可されない。
b 風疹についての記載。
c (厳密ではないが)百日咳を思わせる記載。
d 正しい。上記の通り。
e 水痘についての記載。

正答率:85%

テーマ:麻疹・家族への説明

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