110D30

2か月の乳児。意識障害のため救急車で搬入された。在胎40週、3,100gにて出生した。出生後からこれまで哺乳力は良好であった。30分前にけいれんが起こり、その後ぐったりしたため母親が救急車を要請した。来院時、自発運動は乏しいが痛み刺激には反応する。身長60cm、体重5.0kg。体温37.0℃。脈拍128/分、整。呼吸数36/分。SpO2 98%(マスク5L/分 酸素投与下)。眼球結膜と皮膚とに黄染を認める。血液所見:赤血球435万、白血球11,200、血小板21万、PT 65%(基準80〜120)、APTT 60秒(基準32.2)、へパプラスチンテスト低下。血液生化学所見:総ビリルビン8.5mg/dL、直接ビリルビン3.5mg/dL、AST 58U/L、ALT 34U/L。頭部CTで多発性の脳出血を認めた。
考えられる疾患はどれか。
腸重積症
胆道閉鎖症
横隔膜ヘルニア
Hirschsprung病
肥厚性幽門狭窄症

解答: b

110D30の解説

意識障害やけいれんは多発性の脳出血で説明がつく。問題はどうして脳出血が起こったか、ということであるが、黄疸が出現していること、PT・APTT・ヘパプラスチンテストで異常がみられる(すなわちビタミンKの低値がある)こと、などから胆道閉鎖が考えやすい。
a〜e 上記より、bが正しい。他選択肢では脳出血が説明できない。

正答率:94%

テーマ:胆道閉鎖症の診断

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