110B57

その後の経過:胸部エックス線写真と喀痰のGram染色標本の検鏡結果から肺炎球菌による細菌性肺炎と診断し入院となった。入院初日からセフトリアキソンの投与を開始したところ、入院3日目までに咳嗽は減少し食欲も出てきた。入院3日目の体温は36.8℃、脈拍80/分、整。血圧116/58mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。血液所見:白血球6,300(桿状核好中球14%、分葉核好中球61%、好酸球3%、好塩基球2%、単球7%、リンパ球13%)、血小板22万。CRP 4.4mg/dL。胸部エックス線写真で所見の改善を認めた。初診時に採取した喀痰および血液の培養からは肺炎球菌が検出された。その後も症状は改善傾向が続き、入院4日目に採取した喀痰の細菌培養検査では肺炎球菌が陰性化していたが、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉が検出された。
この患者に対する適切な治療はどれか。
メロペネムを追加投与する。
バンコマイシンを追加投与する。
セフトリアキソン単独投与を継続する。
セフトリアキソンをメロペネムに変更する。
セフトリアキソンをバンコマイシンに変更する。

解答: c

110B57の解説

肺炎球菌性肺炎の診断で入院治療を受け、症状は改善した。MRSAが検出されているも、現時点では体温も36.8℃と発熱はなく、バイタルも安定しているため、治療を変更する必要はない。
a・b・d・e 改善傾向にあるため、抗菌薬の追加や変更は不要である。
c 正しい。このまま治療を継続すればよい。

正答率:22%

テーマ:【長文2/3】後天性免疫不全症候群〈AIDS〉患者の肺炎の治療

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