110A59

50歳の男性。2か月前から続く下痢と粘血便とを主訴に来院した。1週前から1日に6、7回の粘血便を認めている。海外渡航歴はない。身長164cm、体重54kg。体温37.8℃。脈拍88/分、整。血圧120/60mmHg。眼瞼結膜は軽度貧血様である。内視鏡検査では結腸に多発性のびらんと潰瘍とを認める。採取された結腸粘膜生検組織のH-E染色標本(A、B)を別に示す。
本標本に認められる所見はどれか。3つ選べ
静脈瘤
陰窩膿瘍
杯細胞の減少
過形成性ポリープ
びまん性炎症細胞浸潤

解答: b,c,e

110A59の解説

2か月間続く下痢と粘血便。内視鏡では結腸の多発性びらんと潰瘍とがみられるという。これだけでは決定打に欠けるも、画像A, Bにて陰窩膿瘍、杯細胞の減少、びまん性炎症細胞浸潤がみられていることより、潰瘍性大腸炎〈UC〉の診断となる。
a 静脈瘤はそもそも組織学的に証明する類のものではない。
b・c・e 正しい。上記の通り。
d ポリープを示唆する腺管構造はみられていない。

正答率:88%

テーマ:潰瘍性大腸炎〈UC〉の生検標本の読み取り

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