110A28

78歳の女性。5年前から歩行時に軽いふらつきとめまいとを自覚していた。2か月前から右難聴と耳鳴りが出現し、体動時のめまいが増悪してきたため来院した。他に神経症状を認めない。オージオグラム(A)と頭部造影MRIの冠状断像(B)とを別に示す。
今後の対応として最も適切なのはどれか。
外科手術
経過観察
頭位治療
放射線治療
副腎皮質ステロイド投与

解答: b

110A28の解説

高齢女性のふらつきとめまい。脳梗塞も鑑別に挙げたいが、症状は2か月前から緩徐な進行をみており、画像Bにて右内耳道に小さな高信号域がみられていることから聴神経鞘腫を疑う。画像Aでは高音域に有意な感音難聴(軽度)がある。
a・d 78歳であり、症状も軽度であるため、これら積極的治療にふみきるのは抵抗がある。実臨床では経過観察とすることが多いであろう。
b おそらく出題者の用意した正答である。しかしbを選べた受験生がごくわずかであったため、採点除外となった(公式正答は公表されていない)。
c 良性発作性頭位めまい症〈BPPV〉の治療である。
e 突発性難聴の治療である。
※意味深な「経過観察」は積極的に選びなさい、の好例。同時に「経過観察」を選べる受験生はなかなかいない、の好例でもある。さらにはほぼ全員が誤答したため採点除外となったわけであるから「赤信号みんなで渡れば怖くない」の好例ともいえる。

テーマ:聴神経鞘腫への対応

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