109A45

30歳の女性。下痢と血便とを主訴に来院した。1か月前に東南アジアを旅行した。5日前から繰り返す下痢と粘血便とが認められるようになったため受診した。体温37.0℃。血圧118/62mmHg。腹部は平坦で、左下腹部に圧痛を認める。糞便検査とともに行った下部消化管内視鏡検査で結腸に発赤とびらんとを認めた。結腸粘膜生検のH-E染色標本(A)とPAS染色標本(B)を別に示す。
第一選択として適切なのはどれか。
エリスロマイシン
フルコナゾール
プレドニゾロン
ミノサイクリン
メトロニダゾール

解答: e

109A45の解説

東南アジア旅行後の下痢と血便であり、原虫の感染を考える。画像Aでは粘膜表面に小粒状の物体が集積しているのが分かる。これを拡大した画像BではPAS陽性のアメーバ原虫がみられる。アメーバ赤痢の診断。
a マクロライド系抗菌薬。
b 抗真菌薬。
c 副腎皮質ステロイド薬。一般的に感染症には使用されない。
d テトラサイクリン系抗菌薬。
e 正しい。メトロニダゾールが第一選択となる。

正答率:88%

テーマ:アメーバ赤痢の第一選択薬

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