109A44

53歳の女性。2回経妊2回経産婦。不正性器出血を主訴に来院した。50歳で閉経。3か月前から少量の性器出血が出現したため受診した。内診で子宮は鶏卵大で、右付属器が手拳大に腫大していた。血液生化学所見:LH 4.8mIU/mL、FSH 0.1mIU/mL未満(基準 閉経後30以上)、プロラクチン4.8ng/mL(基準15以下)、エストラジオール270pg/mL(基準 閉経後20以下)、プロゲステロン0.3ng/mL、CEA 0.9ng/mL(基準5以下)、CA19-9 40U/mL(基準37以下)、CA125 11U/mL(基準35以下)。経腟超音波検査で子宮内膜の肥厚を認め、子宮内膜生検で子宮内膜増殖症を認める。摘出した右卵巣腫瘍のH-E染色標本を別に示す。
診断はどれか。
未熟奇形腫
粘液性腺癌
顆粒膜細胞腫
Krukenberg腫瘍
ディスジャーミノーマ

解答: c

109A44の解説

病理画像ではCall-Exner bodyがみられているも、これは国試初出であり、判読は困難。閉経後にもかかわらずエストラジオールが高値で、子宮内膜増殖症があることから、ホルモン分泌性の卵巣腫瘍を考えられれば正答には至ろう。
a 病理所見で神経管様の未熟な神経上皮性組織をみる。
b 病理所見で細胞質に粘液をたくわえた円柱状細胞をみる。
c 正しい。顆粒膜細胞腫ではCall-Exner bodyがみられ、エストロゲン産生がある。
d Krukenberg腫瘍は胃癌などの卵巣転移である。印環細胞がみられる。
e 病理所見で分葉状の充実性腫瘍をみる。

正答率:83%

テーマ:病理画像からの顆粒膜細胞腫の診断

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